2014年2月22日土曜日

ふたつでひとつ

手袋なくした。
いつものアウター。
マウンテンパーカーの左ポケットに
そいつらは入ってた。
入ってるはずだと思っていた。

仕事が終わり、無造作にポケットを探ると
そこには、右手の手袋だけがクシャクシャになって出てきた。
左手はいなかった。
落としたかな?と思ってあたりを見渡したけど、見つからなかった。
僕は仕方なく、右手に手袋をはめ、そして帰路についた。
時々、左手の手袋を気にしながら。

彼らはふたつでひとつなんだ。
片方なくしてしまえばぽいされ、また新しいモノに変えられてしまうのだ。
靴下もそうだ。
気づいたら、片方がいなくなり捨てられる。
誰でも経験がきっとあるはずだ。
どんなにお気に入りでも。
それは片方では意味をなさないのだ。
例えば、お気に入りでボロボロになるまで使っても、どちらかがダメになってしまえば意味がないのだ。

帰り道、ふとそんなことを考えた。
そしてなぜかとても悲しい気持ちになった。

家に着く頃。
左手は真っ赤になり、冷たく冷え切っていた。
そしてまた僕はどこかに落としてしまった左手の手袋の事を考えた。
当たり前のように存在するものは、気づいたら消えてしまった。

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